パスワード認証・MFA・FIDO2・OIDC・SAML...進化するWeb認証技術の全体像と実務での選択ポイントを総まとめ!
Webサービスの認証方式は日々進化し、従来のパスワード認証からFIDO2、OIDC、SAML、そしてゼロトラスト時代の認証連携へと広がっています。本記事では、現代の外部公開サービスに必要な認証方式を徹底解説し、今後の選択ポイントを整理します。
サイバー攻撃の増加、個人情報保護規制の強化、そしてリモートワーク普及などを背景に、従来のパスワード主体の認証方式だけでは守りきれない時代になっています。
方式 | 特徴 | メリット | 課題 |
---|---|---|---|
パスワード認証 | 最も一般的。ID/パスワードによる認証 | 簡単・導入しやすい | 流出・盗用リスク大 |
多要素認証(MFA) | パスワード+SMS/メール/アプリ等 | 安全性向上 | 手間・コスト増加 |
FIDO2/WebAuthn | 生体認証・セキュリティキー・パスキー等 | パスワードレス・フィッシング耐性 | 環境依存・導入コスト |
OIDC(OpenID Connect) | Google等IDでSSO。OAuth2ベース | 利便性・拡張性高い | 外部依存・設計難度 |
SAML | 主に企業間の認証連携(SaaS/SSO) | 大規模・高信頼性 | 実装/運用が重い |
FIDO2やWebAuthnは、端末の生体認証や外部セキュリティキーを使い、パスワード自体を排除します。これにより、フィッシング対策と運用負荷の劇的削減が可能です。
Google、Microsoft等のID連携(OIDC)は、複数サービスをひとつのアカウントで利用可能にします。SAMLは、特に企業や自治体の大規模SSOで活躍します。
社内外の境界が曖昧になる時代、「ゼロトラスト」=すべてのアクセスを信頼せず、都度認証・検証する思想が必須となっています。認証基盤自体も分散配置・冗長化が求められます。
利用シーン | 推奨認証方式 | 補足 |
---|---|---|
一般的なWebサービス | パスワード+MFA | 徐々にFIDO2へ移行 |
業務/クラウド/SaaS | OIDC・SAML・SSO | ID連携で負担減 |
重要インフラ/自治体等 | FIDO2+SSO+認証分散 | 物理キーや生体を重視 |
はい。秘密鍵が端末から出ない構造になっているため、パスワード流出・フィッシング・総当たり攻撃に対して極めて強固です。セキュリティキーやパスキーの紛失時のバックアップ運用は事前に設計しておきましょう。
ほとんどのクラウドサービス・社内システムはOIDC/SAMLで連携可能です。認証基盤(Keycloak, AzureAD, Google Workspace等)と自社システムの対応状況を確認しましょう。
はい。最低でもMFA(メール・SMS・認証アプリ)を必須化しましょう。フィッシングや総当たり攻撃のリスクは年々高まっています。
スマホ非所持者には電話認証やメールMFAを組み合わせる、物理キーは代替手段を準備するなど、利用者層に合わせた柔軟な設計が重要です。