第59回:GPT-5.1-Codex-Max と GPT-5.2-Codex ー 忙しい人のための「違いだけ」整理
公開日:2025-12-23
最初に結論(ここだけ読めばOK)
- GPT-5.1-Codex-Max:安定して同じ品質を出しやすい。自動化・運用寄り。
- GPT-5.2-Codex:より「考えながら」進められる。長いタスクや探索に強い。
「どちらが上?」より、あなたがAIに任せたい工程で決めるのが一番早いです。
違いが出るポイントだけを章立てで整理
1) まず“性能”はどれくらい違う?(ベンチの見え方)
- 実務系ベンチで、世代が進むほどスコアが伸びる傾向。
- GPT-5.1-Codex-Max: OpenAIはGPT-5.1-Codex-Maxを「新たなフロンティアのエージェント型コーディングモデル」として導入し、前世代モデルを上回る知能と性能を備えると述べました。実際、GPT-5.1-Codex-Maxはソフトウェア工学のリアルなタスクで高い評価を獲得しています。たとえば、コード修正ベンチマーク(SWE-Bench Verified)の正答率はGPT-5.1-Codex(従来モデル)の73.7%から、Codex-Maxでは77.9%へと向上しています。また、未知のコードベースに対するパッチ生成能力を測るSWE-Bench ProではGPT-5.1ベースのモデルが50.8%だったのに対し、GPT-5.1-Codex-Maxはそれを大きく上回る精度を達成しました。これらの数字が示す通り、コード生成の正確さ・完成度が向上し、より複雑な課題に対応できる品質となっています。
- GPT-5.1-Codex-Max: OpenAIはGPT-5.1-Codex-Maxを「新たなフロンティアのエージェント型コーディングモデル」として導入し、前世代モデルを上回る知能と性能を備えると述べました。実際、GPT-5.1-Codex-Maxはソフトウェア工学のリアルなタスクで高い評価を獲得しています。たとえば、コード修正ベンチマーク(SWE-Bench Verified)の正答率はGPT-5.1-Codex(従来モデル)の73.7%から、Codex-Maxでは77.9%へと向上しています。また、未知のコードベースに対するパッチ生成能力を測るSWE-Bench ProではGPT-5.1ベースのモデルが50.8%だったのに対し、GPT-5.1-Codex-Maxはそれを大きく上回る精度を達成しました。これらの数字が示す通り、コード生成の正確さ・完成度が向上し、より複雑な課題に対応できる品質となっています。
- GPT-5.2-Codex: 後継のGPT-5.2-Codexは、さらなる品質向上を遂げています。「複雑で実世界のソフトウェア開発に対応する最も高度なエージェント型コーディングモデル」と位置付けられ、SWE-Bench ProやTerminal-Bench 2.0で従来を上回る最先端のスコアを達成しました。たとえばSWE-Bench Proでの正答率はGPT-5.2(汎用モデル)の55.6%からGPT-5.2-Codexで56.4%へ僅かに伸び、GPT-5.1世代(50.8%)から大きなジャンプを見せています。またエージェント性能を見るTerminal-Bench 2.0では、GPT-5.2-Codexが64.0%と過去モデルを大幅に上回りました。こうしたベンチマーク上の改善に加え、実務面でもGPT-5.2-Codexは長期的な大規模コード変更(大型リファクタやフレームワーク移行)に強いと報告されています。大規模リポジトリ上で長時間作業しても文脈を保持し、機能追加やコード改変を途中で混乱することなく最後までやり遂げる能力が向上しています。
※ 数字は「万能な真理」ではありませんが、「複雑な実装・修正」で差が出やすい目安になります。
2) 速度・コスト感(待ち時間が気になる人向け)
- 5.1世代では、推論効率(同等の答えに必要な内部トークン)が改善したという説明があります。
- GPT-5.1-Codex-Max: モデルの応答速度や効率面でも、GPT-5.1-Codex-Maxは改良が加えられています。OpenAIは「開発サイクルのあらゆる段階でより高速かつ知的で、トークン効率も向上した」と述べています。具体的には、同程度の回答を得るのに必要な思考トークン(内部で消費されるトークン量)が約30%削減されました。これはモデルの推論効率が改善され、無駄のない計算で答えを導けるようになったことを意味します。その結果、コストと応答遅延の削減に直結しており、開発者にとってはより低コスト・短時間で高品質なコード提案を得られるメリットがあります。
- GPT-5.1-Codex-Maxではまた、推論にかける「思考時間」を調節できる新機能が導入されました。非リアルタイム用途向けに“Extra High (xhigh)”という高精度モードが追加され、通常より長く考えさせることでより良い回答を生成できます。一方、日常的な対話では中間の“Medium”設定がバランス良く推奨されており、開発者はタスクの性質に応じて速度と精度をトレードオフ調整できるようになっています。この柔軟性により、簡単な補完には素早く応答し、複雑な設計やバグ解析では時間をかけて深く推論するといった使い分けが可能です。
ポイントは「常に最強モードで回す」ではなく、軽い作業は速く/重い作業は深くの切り替えです。
3) “長時間タスク”に強いのはどっち?
- 長い作業(大規模リファクタ、移行、継続デバッグ)では、途中で文脈が崩れると一気に失敗します。
- GPT-5.2-Codex: 新モデルGPT-5.2-Codexでも、長大なコンテキストを扱う効率性が重視されています。OpenAIは「長いコンテキスト理解やネイティブなコンパクションによって、長時間のコーディングタスクでも信頼性を維持しつつトークン効率の高い推論を行う」と説明しています。GPT-5.2自身がGPT-5.1より知的向上を遂げていることもあり、Codex版でも無駄の少ない推論が継承・強化されています。
ここが 5.2 で効くポイントです。タスクが長いほど「途中で迷子にならない」価値が上がります。
4) 対応環境(Windowsを使う人はここが重要)
- 開発現場では OS やシェルが混在します。ここが弱いと、すぐ詰まります。
- GPT-5.1-Codex-Max: OpenAIのCodexモデルは、初期のGPT-3系Codex同様に主要なプログラミング言語ほぼ全てを扱えるよう訓練されています。Python、JavaScript/TypeScript、Java、C/C++、C#、Go、Ruby、PHPなど、広く使われる言語でコード生成・編集が可能です(公式には網羅的リストは提示されていませんが、訓練データとしてGitHubの大規模コードが使われているためと推測されます)。GPT-5.1-Codex-Maxに際立つのは、Windows環境での動作対応が初めて実現された点です。従来のモデルは主にLinux/Unix系シェルでのエージェント実行を想定していましたが、5.1-Codex-MaxはWindowsコマンドプロンプトやPowerShell上でのビルド・実行、Windows特有のパスや依存関係の扱いにも対処できるよう訓練されています。実際、2025年11月の時点ではCodex CLI/IDE拡張のデフォルトモデルがOSによって異なり、Mac/LinuxではGPT-5.1-Codexが、Windowsでは汎用のGPT-5.1モデルが使われていました。しかしGPT-5.1-Codex-Max登場により、この制約が解消され全プラットフォームで統一利用できるようになりました。
5) エラー削減・自己修正(“直して終わり”まで行けるか)
- 単発のコード生成より、「実行→失敗→修正→再実行」のループが回せるかが重要です。
- 5.1 からエージェント的にこのループを回す前提が強くなり、5.2 でさらに滑らかになる方向です。
6) セキュリティ(気になる人だけ読めばOK)
- 5.2 はサイバーセキュリティ領域でも強化が示唆されています(脆弱性検出・CTFなど)。
- 概要: OpenAIのGPT-5シリーズのコード生成モデルである「GPT-5.1-Codex-Max」と「GPT-5.2-Codex」は、プロフェッショナルなソフトウェア開発を支援する「エージェント型」コーディングAIとして位置付けられています。GPT-5.1-Codex-Maxは2025年11月に公開され、長時間の開発タスクをエージェント的に遂行できる初のモデルとして登場しました。続くGPT-5.2-Codexは2025年12月に発表され、ベースモデルGPT-5.2の能力を活かしつつ、さらにコード生成やサイバーセキュリティ面で強化された最新版です。本記事では公式発表・ドキュメントに基づき、コード生成品質、速度、対応言語、エラー削減、推論・デバッグ能力、インターフェース/APIの変更、ツール互換性など、あらゆる観点から両者を比較します。
ただし 「安全=自動でOK」ではないので、最終レビューは人間が前提です。
7) API / ツール統合(導入のしやすさ)
- CLI / IDE で「デフォルトが新モデルになる」=移行の手間が小さい方向で進んでいます。
- APIアクセスに関して、GPT-5.1-Codex-Maxはリリース当初すぐには一般提供されませんでしたが、「近日中にAPIでも利用可能にする予定」と公式発表がありました。このため、エンドユーザ向けには先行してUI(ChatGPT/Codex環境)経由で提供され、開発者が自分のアプリケーションから呼び出すには少し待つ必要がある状況でした。ただし、API経由でも従来のCodexモデルと同じ形式で利用できることが見込まれ、実際プログラムから呼び出すモデル名としてgpt-5.1-codex-maxを指定するだけで応答を得られるよう設計されています。OpenAIはAPI呼び出し時の特記事項として、前述のreasoning.effortパラメータ(推論にかける労力レベル)を導入したことを挙げています。このパラメータはCodex系モデルで追加されたもので、値をmediumやhigh、xhighに設定することでモデルの思考深度を制御できます。開発者にとって、API経由でモデルの推論精度と応答速度を調節できるのは新たなインターフェース上の利点と言えます。
- さらに2025年12月には、GitHub CopilotへのGPT-5シリーズ統合が進みました。GitHub社はCopilot Enterprise/Business/Pro向けにGPT-5.1およびGPT-5.1-Codex-Maxの一般提供を開始し、続けてGPT-5.2もCopilotで利用可能になったと発表しています。これにより、Visual Studio CodeやVisual Studio、JetBrains製IDE、GitHub.com上のエディタ、さらにはGitHub MobileアプリやNeoVimプラグイン等、Copilotが対応するあらゆる開発環境でGPT-5系のコード補完・チャットが使えるようになりました。具体的には、Copilotのモデル選択UIにおいてGPT-5.2を選べば、Chatモード・ペアプログラミングモード・コード説明モードなどでGPT-5.2-Codexの能力を活用できます。企業利用の場合、Copilot管理者が設定でGPT-5.2モデルへのアクセスを有効化する必要がありますが、一度有効にすれば組織内の開発者は各自のIDEで最新モデルを選択できます。
使い分け(現場の判断だけを書きます)
5.1-Codex-Max が向く
- CIや自動生成など「結果のブレ」が困る
- 変更量を小さく、安全に進めたい
- 安定運用が最優先(保守・改善が中心)
5.2-Codex が向く
- 大規模変更(移行・刷新・長期デバッグ)を任せたい
- 試行錯誤しながら前に進むタスクが多い
- 設計・分解・修正ループまでAIに寄せたい
最後に(1行まとめ)
短期・安定運用なら 5.1。
長期・自律作業なら 5.2。
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