2025年12月の Visual Studio Code v1.108 は、単なる便利機能の追加というよりも、 「AIコーディング支援をどう運用するか」を一段変えるアップデートです。
中心にあるのが、プレビュー機能として導入された Agent Skills。 ひと言で言えば、Copilot(エージェント)に対して あなたの現場の手順・知識・作法を“フォルダ”として配布できる仕組みです。 「毎回プロンプトに書く」「チームで口伝する」ではなく、 AIのための手順書をコード同様に管理する——ここがポイントです。
Agent Skillsは、AIエージェントにドメイン固有の知識やワークフローを教えるための仕組みで、 AnthropicのClaude Skills(現オープン標準)を起点に発展してきた流れがあります。
.github/skills/
└─ my-skill/
├─ SKILL.md
└─ (必要なら) scripts/ templates/ data/ ...
VS Codeはプロジェクト内の .github/skills/ を自動検出し、
個人用スキルは ~/.copilot/skills/ に置くことで、どのワークスペースでも使えます。
すべての手順を常にコンテキストへ押し込むのではなく、 Copilotがまず name/description をスキャンして適用可否を判断し、 関連しそうなときだけSKILL.md本文を読み込みます。必要なら同梱ファイルも参照します。
特にAgent Skillsは ポータブル(プロジェクトやツールをまたいで再利用可能)で、 「プロンプト芸」から「運用資産」へ移すための仕掛けと言えます。
VS Code 1.108ではプレビュー扱いのため、設定で明示的にONにします。
"chat.useAgentSkills": true
これによりCopilot Chatが「Agent Mode」になり、スキルを利用するようになります。 ふつうのQ&Aモードではスキルが適用されない点に注意してください。
.github/skills/ を作成(互換で .claude/skills/ も認識)webapp-testing)を作成SKILL.md を作成:YAMLヘッダーに name と descriptionここで一番効くのは description の書き方です。 Copilotはdescriptionを見て「いつこのスキルをロードするか」を判断するので、 “どんな質問のときに使うべきか”を明確に書くのがコツです。
スキルは自己完結のため、導入はスキルフォルダを .github/skills/ に置くだけです。
ただしスキルはスクリプトを同梱できるため、出所を信頼できるものに絞り、
中身を確認するのが前提です。
Agent Skillsが強いのは、「AIに知識を足す」より「AIのやり方を固定する」点です。 資料にある代表例を、実務の視点で噛み砕きます。
チームの標準実装(設計パターン、ディレクトリ構造、命名規約、例外処理、ログ設計…)を スキル化しておくと、Copilotの出力が最初から“その型”に寄ります。
「障害対応」「リリース手順」「手順書生成」といった、 人が守っているプロセスこそスキル化の対象になります。 ツールがSlack投稿できても、どう事故対応するかは別問題。 そこをAIに“教える”のがスキルです。
git.blame.ignoreWhitespace約7,000件のGitHub Issuesを閉じる/トリアージしたという記述もあり、 “機能追加だけでなく信頼性を積み上げる” という姿勢が見えます。
Agent Skillsは「AIがさらに賢くなった」ではなく、 現場のやり方をAIに伝える方法が標準化された点が革命です。 これからは、プロンプトを頑張るよりも、 スキルとして運用を育てることが効いてきます。